2015年8月6日木曜日

【コラム】NHK大河ドラマ「真田丸」を視聴するならまずはこの本。「関ヶ原」 司馬遼太郎


「関ヶ原」とは


この物語は、本のタイトルともなっている「関ヶ原」の戦いが起こるまで豊臣秀吉が死去したのち、
徳川家の天下を目指す「徳川家康」と豊臣家の天下を守ろうとする「石田三成」の二人に主軸を置いた作品です。


来年の大河ドラマ「真田丸」で敵役として登場するであろう家康は老獪で、人の心をつかむのがうまいです。
豊臣恩顧の武将らの心を掴み、自身の味方につけていきます。

三成は切れ者で義にあふれる男として描かれていますが、一方で傲慢とも取れる態度で人と接するために
多くの人々から嫌われ、仲間であるはずの豊臣恩顧の武将からも不倶戴天の敵として見られてしまいます。

象徴的なのは豊臣恩顧の武将「加藤清正」とこの両者のやり取りの対比で、
家康は朝鮮戦争で艱難辛苦した清正をねぎらい、清正を惹きつけます。

三成もその前に、朝鮮戦争から帰ってきた清正らをねぎらったのですが、
三成が茶会で(ねぎらう)といった趣旨の言葉に対して、
清正自身は兵糧もなにもない状態なのに、茶会とは世間知らずだと三成に対して激怒します。

一方で、家康に合戦を挑もうとする三成に対して、勝機はないと看破した三成の盟友「大谷吉継」は
一度は三成を見放したものの、三成に対する過去の恩義があったことから「一緒に死んでやるか」と三成との情を優先し、三成方に付きます。


こんな二人のそれぞれの駆け引きは大変面白く見応えがありますが、
NHK大河ドラマ「真田丸」に関心のある方々にとって是非ともおすすめしたい理由が3つあります。



NHK大河ドラマ「真田丸」に向けて「関ヶ原」を読むべき3つの理由


・真田丸に登場する敵役である家康のことがよくわかる

真田丸の主人公「真田信繁(幸村)」は、徳川家とは幾度となく戦うことになります。家康は信繁やその父「真田昌幸」には幾度となく
煮え湯を飲まされることになり、この二人は家康にとって仇敵ともいえる存在です。一方で信繁の兄「真田信之」の妻は家康の家臣「本多忠勝」の娘にあたり
徳川家と真田家の関係はなかなかに複雑です。関ヶ原でこの真田家親子は袂を分かつのですが、
徳川家から見て真田家がどのように映るかを見ると大河ドラマが一層面白く感じるはずです。


・信繁の岳父である吉継のことがよくわかる

信繁(幸村)の正妻の父は吉継であるほか、三成の相婿は昌幸であるなど三成方とも真田家は深い関係にあります。
作中はこの二人の武将は真田家と手紙などでやり取りをするだけですが、岳父の義に厚い人となりや、関ヶ原の戦いで奮戦した様子が詳細にわたり描かれます。
真田家の関係者から見ると、真田家がいかに頼もしい存在であったかがこの物語を通じて感じることができるのではないでしょうか。


・小説「関ヶ原」を読むと真田家が一層好きになる

個人的な経験談になってしまいますが、「関ヶ原」は私が学生時代に初めて読んだ歴史小説でした。
購読のきっかけは、当時大河ドラマを視聴して関ヶ原に登場する武将に対する関心が深まったことが大きな理由です。

この物語はどの武将も大変魅力的に描かれているのですが、主軸の二人以外で私が最も気になったのが真田家でした。

信繁は関ヶ原の戦いに直接参戦できない状況でしたが、昌幸とともに徳川方の主力を足止めするなど大活躍します。
特に徳川方へのゆさぶりから撃退するまでの真田家の痛快な活躍振りは是非とも活字で味わってほしいと感じています。

また、前述した通りこの戦いを通じて真田家は親子は敵味方に分かれます。
どちらが勝ってもお家が残るための昌幸の策だったとも伝わりますが、この戦いをのちに信繁は苦難の道を歩むことになります。
信繁らの今後は歴史で知っていても、この物語の続きが読みたくなるほど真田家が魅力的に描かれています


来年の大河ドラマが今から待ち遠しい方々は是非、
真田家が魅力的に描かれている「関ヶ原」を読んでみてはいかがでしょうか?

by alejandro

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